
SEAPLANE RAMP
水上機の滑走台
1939年ごろ、水上機を海から引き上げるために造られたコンクリートの斜路。海中部分は潜水作業で組み上げられました。戦後はアメリカ軍が補修して滑走路として使い、いまは潮が引くと、ひび割れた路面がラグーンへ静かに続いていきます。

SEA & ISLANDS
N 6°53′ / E 158°13′ — POHNPEI, FSM
リーフの内と外——ふたつの青を旅する。
ポンペイ本島は、ぐるりとサンゴ礁のバリアリーフに抱かれています。リーフの内側には、波のほとんど立たない穏やかなラグーン。外側には、一気に深く落ち込む紺碧の外洋。
このふたつの青のあいだに、白砂の無人島や小さな環礁が点々と浮かんでいます。ボートで走れば、行く先々でまったく違う海に出会う——それが、ポンペイの海の旅です。

PLATE 00—リーフエッジ
外洋のうねりがリーフで砕け、内海の凪が生まれる。

SNORKELING
すべての旅は、ここから
水面のすぐ下に、お魚天国。
バリアリーフに守られたポンペイの内海は、透明度が高く、一年を通して穏やか。クマノミやチョウチョウウオが群れるサンゴ礁を、泳ぎに自信がない方でも安心して覗き込めます。
おすすめは、外洋の澄んだ潮が流れ込む上げ潮の時間帯。同じポイントでも、潮のタイミングひとつで海の表情はがらりと変わります。その日いちばんの海へお連れするのが、船長の仕事です。
シュノーケルセット・ライフジャケットは船でご用意できます

ANT ATOLL
南西へ、ボートで約1時間
青って、何色あるんだろう。
白い砂浜と海の青が、区切りなくどこまでも溶け合っていく。アント環礁のグラデーションを前にすると、「青って、何色あるんだろう」と考えさせられます。13の島が連なるユネスコ生物圏保存地域であり、私たちが「ポンペイNo.1のビーチ」と胸を張る楽園です。
そして、外洋とラグーンをつなぐ唯一の水路でのシュノーケリングは、ポンペイNo.1と断言できる圧巻の迫力。潮の流れに乗って、バラクーダやリーフシャークが行き交う青の谷を滑空します。仕上げは白砂のビーチでバーベキュー——こんなロケーションで囲む炭火は、最高すぎて言葉になりません。






上陸には所有者の許可が必要です(ツアーでは手配込み)

PAKIN ATOLL
北西へ、外洋を渡って
求む、挑戦者。
アント環礁が圧倒的な「南国体験」なら、パキン環礁は圧倒的な「冒険体験」。ここには、大きな船が入れる水路がありません。満潮のわずかな時間にリーフの切れ目を小型ボートで越えるか——あるいは、自ら泳いでリーフを上がるか。このスリルは、一生忘れられない経験になるはずです。
リーフを越えた先に待つのは、美しいビーチと、どこまでも続くサンゴ礁。枝サンゴの森はカラフルな魚たちの棲家です。上げ潮に外洋の水が入れば透明度は30mを超え、その青を知るのは、海を越えてきた挑戦者だけ。だからこそ、帰りのボートで振り返るパキンは、特別に見えるのです。
外洋を渡るため、海況の良い日に限りご案内します
NAHLAP ISLAND
南西のラグーン、車とボートで
いちばん気軽な、ラグーンの休日。
本島南西のラグーンに浮かぶナーラップは、コテージや伝統家屋ナースが点在するアイランドリゾート。白砂のビーチに寝転び、目の前のサンゴ礁でシュノーケリング。カヌーやウォータースライダー、ロープスイングまで揃った、家族連れにいちばん人気の島です。
ビーチの沖には、リーフが一気に深く落ち込むドロップオフ。浅瀬の水遊びから本格的な海まで、ひとつの島で楽しめます。夕方、ラグーンを茜色に染めるサンセットは、この島のもうひとつの名物です。
日帰りのほか、島泊まりのご相談もできます



BLACK CORAL ISLAND
南西端、ケーパラ水道のほとり
海洋保護区に浮かぶ、砂の小島。
バリアリーフの南西端、ケーパラ水道のそばに浮かぶブラックコーラルは、海洋保護区の中にある小さなサンゴの島。木陰を縫う小道が美しく手入れされ、素朴な小屋でのキャンプ泊もできる、静かな隠れ家です。
東側のビーチと北の水道は絶好のシュノーケリングポイント。ネムリブカやツマグロ、運が良ければマダラトビエイにも出会えます。保護区には遊泳が制限される季節があるなど、海を守る仕組みが今も生きています。「守られているからこそ豊かな海」を、体感できる場所です。
保護区のルールにより、ご案内できる時期が限られます
DAULELE ISLAND
沖合の、小さな無人島
何もない。それが、いちばんの贅沢。

ボートで沖へ走ると、白い砂浜にヤシ葺きの小屋がぽつんと立つだけの無人島、ダウンレレが現れます。島をひと回りしても、ほんの数分。あるのは360度の透きとおる海と、サンゴ礁を泳ぐ色鮮やかな魚たちだけ。
昼はピクニックとシュノーケリング。夕方は、誰もいないビーチでサンセット。夜まで残れば、頭上に満天の星。何も足さない一日が、旅でいちばん濃い記憶になる——そんな島です。
そして、この島の海中はサンゴがとても豊か。枝サンゴの森が浅瀬いっぱいに広がり、色とりどりの小さな魚たちが群れています。ポンペイでもいちばん可愛らしい魚に会えるシュノーケリングスポットのひとつです。



島に上がれば、木陰の小道とヤシ葺きの小屋。
無人島ピクニックの定番。無人島ステイのご相談も
LENGER ISLAND
コロニアの港からすぐ
青い海に、歴史が眠る島。
コロニアの港からボートですぐ。ランガル島への上陸は、日本軍が残した水上機ランプ(スロープ)の跡から——この島は、海と歴史が交差する場所です。ジャングルには砲台や弾薬庫、コウモリの棲む地下燃料庫など、日本統治時代の遺構が静かに眠っています。
ランガル島には、今も人々が暮らしています。戦跡の多くは民家のすぐそばや私有地の中にあり、誰でも自由に立ち入れる場所ではありません。訪問には島の方々への挨拶と許可が欠かせないため、必ずガイドが同行し、暮らしの場に配慮しながらご案内します。
ポンペイの歴史を見る
WAR RELICS ON LENGER
ここから先は、すべてランガル島の中でのお話。コロニアからボートで渡ったこの小さな島を歩く道が、そのまま日本統治時代をたどる道になります。

SEAPLANE RAMP
1939年ごろ、水上機を海から引き上げるために造られたコンクリートの斜路。海中部分は潜水作業で組み上げられました。戦後はアメリカ軍が補修して滑走路として使い、いまは潮が引くと、ひび割れた路面がラグーンへ静かに続いていきます。

OIL TANK
島の南、パンカマルに残る鋼鉄製の原油タンク。かつては大小2基が並び、大きい方は1970年代に解体されました。下部の鋼板が外れたところから中へ入ることができ、屋根のマンホールへ続く梯子が今も架かっています。

STORAGE CAVES
斜面をダイナマイトで掘り抜いた4本の横穴。いちばん奥のものは28mに達します。足元には水が溜まり、天井にはアナツバメが巣を掛ける——ひんやりとした空気の中を、ライトを頼りに奥へ進みます。

MAGAZINE
コンクリートの小部屋が横一列に並ぶ弾薬庫。錆びついた鉄の扉が、80年を経てなお蝶番に残っています。上から土をかぶせ、空から見つからないように隠されていました。

ANTI-AIRCRAFT BATTERY
標高77mのドレン・ランガルの頂には、2ヶ所の高射砲陣地。石と土の防壁に囲まれたコンクリートの円座に、8cm高角砲が据えられていました。砲は戦後に運び去られ、円座を囲む弾薬庫(一方は9室、もう一方は6室)だけが残ります。

COASTAL GUN
海に面した斜面には4ヶ所の砲座跡。横倒しになった15cm砲には「No.12810 1900」の刻印が読み取れます。英アームストロング・ホイットワース社製と伝わり、ソケース山の15cm砲も、もとはこの島にあったものだといいます。

CONCRETE PLANT
横穴を掘るために持ち込まれた設備群。3台のコンクリートミキサーとヤンマー製ディーゼル機関、砕いた岩を運ぶ610mm軌間のトロッコ軌道、そしてロッククラッシャー。歯車はいま、蔓と木の根に少しずつ絡めとられています。

SURVEY MARKER
落ち葉を手で払うと、石柱に彫られた四文字が浮かび上がります——經緯度測點。この島に測量の基準点が置かれていたことを、いまも静かに伝えています。
戦跡の多くは島の方々の私有地内にあります。無断で立ち入らず、必ずガイドと一緒にご見学ください。
AND MORE

リーフの水道にマンタが集まる名ポイント。ベストシーズンは1〜4月。ダイバーだけでなく、シュノーケリングでその優雅な舞に出会えることもあります。

ラグーンの縁は、外洋へ一気に落ちるドロップオフ。ボートの上から覗き込むだけでも、碧から紺へ沈んでいく青のグラデーションに息をのみます。

夕暮れ、鏡のようなラグーンを走る帰り道。空と海がゆっくり茜色に溶けていく時間は、ツアーの最後のご褒美です。

街灯りのない島の夜は、こぼれ落ちそうな星空。運が良ければ、水平線の上に南十字星を見つけられます。